千葉商科大学サービス創造学部
ブライダルファッションショー・プロジェクト
「Happiness~価値ある瞬間をあなたに~」

2017年12月22日、ブライダルファッションショー・プロジェクト「Happiness~価値ある瞬間をあなたに~」が開催された。同大学 サービス創造学部では、2011年から「OUR WEDDINGプロジェクト」と銘打って、プロジェクトに所属する学生たちの企画・運営でブライダルイベントを開催してきたが、今年度は成果ごとにプロジェクトが2つに分かれることになり、それにともなって、今までにない苦労もあったという。彼らの奮闘ぶりに迫った。

 


人数が足りない、経験者が少ない!

12月22日午後3時。ブライダルファッションショーの開始まで数時間を切った会場では、学生たちが慌ただしく準備を進めていた。そんな彼らに本日を迎えての感想を尋ねると、どの学生も第一声が「とても大変でした」と、口をそろえたかのように答えた。
その理由を、2016年度に引き続き本プロジェクトの担当教員を務める仁平京子准教授は、
「今年は、OUR WEDDINGプロジェクトを一新して、ブライダルセレモニー・プロジェクトとブライダルファッションショー・プロジェクトの2つの組織作りを行いました。そのため、プロジェクトの人数が、全体で30人と昨年度と比べて10人少なく、さらに、経験者である3年生は、6人しかいなかったので、新しい組織体系を一からつくり上げなければならなかったのです」と語る。
ブライダルファッションショー・プロジェクトの代表を務める佐藤秀勝くん(サービス創造学部3年)は、1年生の頃から本プロジェクトに関わってきて、2年生では副代表という重責も担った。そして、次は代表を、と当然のように周囲からは期待されたが、実は一度、辞退したという。
「今回は経験者も少ないし、僕の上に誰もいないことの重圧が大きかったんです。でも、僕がやるしかない、と覚悟を決めてからは、初対面の後輩と仲良くなることを何よりも優先しました。先輩後輩の壁がなくなれば議論もできるようになるからです。」
親睦を深め後輩の性格を把握した秋学期からは、「性格を見ながら任せて、何かあったときだけバックアップするようにしました。僕は先頭に立って引っ張るというより、後輩にからかわれながら、助けてもらうタイプの代表ですね」と笑った。

1年生からずっとウェディングプロジェクトに関わってきた代表の佐藤秀勝くん(サービス創造学部3年)は、終了後、「ほっとするかと思いましたが、むしろ寂しい気持ちの方が大きいですね」と感慨深げに語った。
 


最大の壁は、周囲の助けと情報力で乗り越えた

さらに、最大の壁にぶつかった。今年は新たウェディングドレスを借りる先を探すことになったにもかかわらず、プロジェクト予算は、ブライダルのプロジェクトが2つに分かれたことで、昨年の半額以下という状況――。
この難問に対して、学生たちは時に周りの力を借りながら、時に情報を駆使して乗り切った。
衣装を提供してくれた株式会社一蔵オンディーヌは、大学のミス・コンテストなどに衣装協力をしている会社で、学生が友人のつてをたどって探してきた。さらに、同学部の学部長である今井重男教授のゼミナールの学生が卒業制作したウェディングドレスも借りることができ、それをアレンジして使うことができた。
これでドレスは2着。しかし、ショーを開催するにはまだ不十分だ。そこで、学生たちはスマートフォンで百貨店の催事情報などに目を光らせ、1着1万5000円の格安ドレスを2着仕入れて、なんとか予算内で十分なドレスを用意した。
「今回は、先輩方はもちろん、セレモニープロジェクトやパーティープロジェクトのメンバーにも声をかけ助けてもらいました。そこで学んだことは、力を貸してもらいたければ、まず自分たちから率先して相手に協力すること。他プロジェクトが必要としていることがあれば、僕たちも全員参加で協力しました。そのおかげでいい関係をつくることができたのだと思います。」(代表・佐藤くん)

 

今井重男ゼミの4年生から借りた卒業制作のウェディングドレスには、ライダースを羽織るなど自分たちのアレンジを凝らした。
 

 

 


未経験の2年生が手探りでつくり上げたショーの演出

今回のブライダルファッションショー・プロジェクト「Happiness~価値ある瞬間をあなたに~」は、ゲストフォーマルファッションショー、来場者参加型ゲーム、ブライダルファッションショーの3つが目玉となっている。ゲストフォーマルファッションショーは、結婚式の参列者用のファッションを提案するというもので、モードとカジュアルの2タイプのファッションを披露した。そして、これらのショーの演出は、未経験者の2年生が手探りで進めてきた。
昨年に引き続き、モデルのメイクを担当したパリ総合美容専門学校との打ち合わせや、モデルのスケジュール調整などは、モデル班の2年生3人が協力して取り仕切った。そのうちの一人、小松蓮くん(同2年)は、「ゲストフォーマルファッションショーの演出は3人とも初めてなので、まず先輩に話を聞いて、以前の映像を何度も見たうえで、最終的には僕たちで考えました。モデルのスケジュール調整で苦労した部分はありましたが、今日まで通し練習は10回を軽く越えました。その都度修正を重ねて、だんだん良くなりましたね」と胸を張った。

ゲストフォーマルファッションショーのモデルが集合。衣装は各自で持ち寄り、モード感やカジュアル感がアップする組み合わせを考えた。見せ場は、ステージ正面に立った時の3つのポーズ。
 

 

 


経験から学び、未来につなげる

また、ウェディングショーの企画を担当した落合胡桃さん(同2年)は、「ブライダルファッションショーのテーマを決めて、それに合うドレスを買いに行って、曲を探して、曲に合う演出をまた考えて……。今回は初めてのことばかりで大変でした。その分来年は、後輩にできる限りの知識や今日体験したことを教えてあげて、プロジェクトを一緒に引っ張っていきたいと思っています」と話す。
仁平准教授は、「2年生は経験することで足りなかったものに気づき、それを今後のための情報としてメモを残していました。来年を見据えて今日を迎えている彼らに、こちらが学ぶことも多かったですね」と、成長著しい学生たちをねぎらった。

ウェディングショーの演出を担当した落合胡桃さん(同2年)は、「情報共有の大切さを学びました。プロジェクトはスポーツとはまた違ったチームプレイの難しさを感じました」と振り返った。
 

 

 


【ブライダルファッションショー・プロジェクト「Happiness~価値ある瞬間をあなたに~」 Photo Album】

昨年に引き続き、パリ総合美容専門学校の学生たちがモデルの雰囲気に合ったにメイクを施す。
モデル班・小松蓮くん(同2年)。「問題がおきたら片っ端から、しらみつぶしにしてここまで積み上げてきました。」
装飾班リーダー・山中航くん(同3年)は、「会場外の装飾はファッションの要素を強めにするために、服の切れ端を使いました。材料はいらなくなった服やベルトなどを持ち寄りました」と話す。
今回、手伝いで参加した鈴木里奈さん(同1年)。「実際に経験してみて、来年もこのプロジェクトを選びたいなと思っています。
モデル班の石山美空さん(同2年)はモード系モデルのファッションアドバイザー的な存在。「舞台袖で服装の最終チェックをするため、正面から本番を見られないのは残念ですが、最後まで気を抜かず頑張ります。舞台袖で服装の最終チェックをします。」
来場者を受付する学生たち。慌ただしさの中にも笑顔は忘れない。
イベントスタート。まずはゲストフォーマルファッションショーから。落ち着いた雰囲気のモード系のファッションに身を包みポーズを決める。
瀧澤優華さん(同2年)は、昨年モデルとして協力し、今年は本プロジェクトを選択。「モデルとスタッフの間に入って話がスムーズに流れるように気をつけてきました。」ダンス経験を生かしたポージングが舞台上で光る。
今回、男性モデルとして協力した加藤一樹くん(同2年)は、「男は顎を引いて歩くと格好良くなるんです。魅力では誰にも負けたくないですね」と笑顔で意気込む。
観客参加型ゲームは、ドレスの色当て抽選会とブーケプルズの二段階。ブーケプルズでは、リボンを引っ張ってブーケにつながっていたお客さんが大喜び。
ブライダルファッションショーがスタート。今回、ガーデンウェディング、リゾートウェディング、ナイトウェディング、教会ウェディングの4つのパターンを紹介。こちらはリゾートウェディング。
ナイトウェディング。新郎はグレーのタキシード、新婦はボルドーのロングドレスを着用。
教会ウェディングの純白のウェディングドレスは、ロングトレーンが特徴の王道の衣装。
美しいブライダルショーに思わずカメラを向ける観客。
終演後は観客との撮影会が行われた。友人たちがモデルを取り囲んで1枚。
担当教員の仁平京子准教授は、「サービス創造学部の学生は、察知する力と対人コミュニケーション能力が高いですね」と評した。
終演後にプロジェクトのスタッフ、協力してくれたモデルが集合。
プロジェクトメンバーによる円陣。おつかれさまでした!