千葉商科大学サービス創造学部
パーティ・プロジェクト「Yellow Party 2017“RED CARPET”」

2017年12月15日、「Yellow Party 2017“RED CARPET”」が千葉商科大学で行われた。年末恒例の同イベントは、同大学サービス創造学部の教職員と学生たちが交流を深める場として2009年より開催されてきた。毎年、同学部の「パーティ・プロジェクト」のメンバーが企画・運営を行っているが、今年の学生たちは、同イベントから何を学んだのか。

 

会場前のモニターに映し出された今回のテーマ、「RED CARPET」。
 


海外のレッドカーペットを意識した演出

今回で9回目を迎える「YELLOW PARTY」は、毎年サービス創造学部の1年を締めくくる行事として開催されている。約40人のプロジェクトメンバーは、「ゲスト全員がVIPであり、一人ひとりの1年の活躍を表彰したい」という思いを込めて、今回テーマを「RED CARPET」に決めた。会場の入り口前にレッドカーペットを敷き、学部のシンボルでもある大きな象のオブジェ“サービス創象くん”を設置し、撮影コーナーを設けるなど、華やかで重厚感のある雰囲気をつくり出した。
 

プロジェクトリーダー、目谷真之助くん(サービス創造学部3年)は、「今回は、演出にこだわりました。海外のアカデミー賞のような表彰式をイメージさせるため、パーティ会場へ入るエレベーターのドアが開いたら、待ち受けるパパラッチやボディガードがいたり、パーティ中のイベントでも授賞式のような演出を行いました」と狙いを明かす。
また、今回、オープニング早々、会場のカーテンが一気に開いて、市川の夜景が一望できる演出を行ったこともゲストに驚きを与えた。音響・照明のリーダー太田直人くん(同3年)は、「今回はテーマに合わせてプログラムごとのメリハリを意識しました。オープニングムービーまでの流れは爆音で煽って日常から非日常へとゲストを誘い、カーテンを開け夜景を見せたのをパーティ開始のきっかけにしました。表彰の時は照明を最低限しか使わない一方、フリータイムやゲームの際はパーティ感を強く意識したような曲や照明マッピングなどをフルに活用しました。また新しく使ったLEDテープを会場の側面端から端までとステージにつけて、色をコントロールさせながら音楽と連動させる演出は、会場の雰囲気をこれまでと変えられたと思っています」と語った。一方で、「音響・照明部署の中でも担当が分かれているので、情報共有に苦労しました。照明やプロジェクションマッピングのアプリや機材の使い方など理解していないと分からない内容が多く、DJをやりながら全体を把握するのが一番大変でした。部署リーダーとしても、周りに任せすぎてしまった部分は反省点。また、想定外のトラブルも多く、自分のリスク対策の甘さを痛感しましたし、それぞれのメンバーの強みをいかした対応を考えて用意をするべきであったと思います。この経験は今後、社会に出てからも生かしていきたいと思います」と振り返った。
 

会場前でメンバーに指示を出すリーダーの目谷真之介くん。「もうこのメンバーでプロジェクト活動をすることがないと思うと寂しいですが、今度はゲストとして参加するのが楽しみです。後輩たちには、やりたいことがあるなら無理してでもやってほしい。そのためには、どうやったらできるか考え抜いてほしいと思います。学部を、そして大学をもっと楽しんでほしいですね」と先輩の顔を見せた。
 
 


デコレーションやフードにもこだわりを

会場内と会場前で存在感を放っていたのは、金色のサービス創象くんだ。デコレーション・ファッション部署のリーダー、高梨悠成くん(同3年)は、「サービス創象くんについては、学部の大切なシンボル。そのデコレーションを僕たちパーティ・プロジェクトのデコレーション部署に任せてもらえたことは嬉しく思いますし、光栄なことだと思っています」と笑顔で話す。今回は、事前準備を徹底的に行ったことで予定通りに進めることができたというが、反省点も口にする。「やることが多くなってくると、情報共有が疎かになってしまいました。単に、このプロジェクトだけでなく、社会に出たらもっと必要になることなので、たとえば、議事録を細かくつくったり、こまめに会議を設定したりするなどしなければならないと思います。また、リスク対策も、リハーサルだけでは見えてこなかった部分が当日になって出てくるので、全体を俯瞰してみることが大事。個人としては、3年生は基本的に今回でプロジェクトを卒業なので、後輩に仕事を引き継がねばならず、2年生にどこまで任せるのか、バランスを取るのが難しかったです。その結果、2年生に負担をかけすぎてしまったかもしれません。でも、経験を積むしかないんですよね。これからプロジェクトを引っ張っていく後輩たちも、リスク対策や周りの人たちの意見などが邪魔をし、自分のやりたいことが思うようにできないことも多いと思いますが、自分たちのやりたいことを貫き通してほしい。周りの人たちの意見も聞き、受け入れ、その上で最終的には自分たちの色にしてほしいと思います」と、自身の反省を踏まえて、来年のメンバーに対してもメッセージを送った。
 

ボードを持ってベストドレスコンテストの投票を募る高梨悠成くん。「このプロジェクトに入って、将来やりたいことが少しずつ見えてきました。ここで得た経験を、就職活動はもちろん、これからの人生に生かしたいと思っています」と抱負を述べた。
 
 
また、フード部署では、教員たちの座るVIP席にメニューを置いてオーダー制にしたり、新たなケータリング会社を探したりして、新たなサービス創造に挑んだ。フード部署の2年生のリーダー、鈴木陸央くんは、「ケータリング会社は、最終的に1社に絞るまでに3週間くらいかかりました。12月はどこも繁忙期で最初は打ち合わせもできないと言われましたが、交渉し続けたら受け入れてくれて、こちらの要望にあわせて融通もきかせてくれました。いい会社が見つかってよかったです。当日も、料理のテーブルに飾られていたお花を持って行ってもいいと言ってくれて、急きょ景品として出すこともできました。ただ、予算の問題もあり仕方ないのですが、料理が早めになくなってしまったので、来年に向けて、何か解決法を見つけたいと思います」と振り返った。
 

オーダー制のVIP席には教員や教員の家族が座り、歓談に花が咲いていた。
 
 


メンバーの気持ちがまとまったのは、1カ月前

今回、メンバー全員が口をそろえて言うのは、「全員のモチベーションがそろうまでに時間がかかってしまった」こと。副リーダーで、昨年に続き同パーティの司会を務めた森山柚花梨さん(同3年)は、「本格的にみんなの気持ちがまとまったのは、11月中頃のことです。ジェフ千葉・プロジェクトが企画したバスツアー(※1)に私たちのプロジェクトメンバーも数人が参加したのですが、それがすごく楽しくて。私たちのプロジェクトもゲストに楽しんでもらってはじめて成功なので、共感する部分がすごくありました。さらに、3年生のメンバーが最後に泣いているのを見て、私たちも嬉し泣きしたいよね、という気持ちになりました。ですから、開催前の1カ月間は怒涛の日々でした。そこから、リーダーの目谷くんとうまく仕事を分担したり、各部署のスタッフにリスク対策のデータをもらったりして、全員で協力しながら事前準備ができました」と笑顔で話す。
 

副リーダー森山柚花梨さんは、「プロジェクト活動が最後ということもあり、司会には自分で立候補しました。実際にやってみるとイレギュラーなことも多く、アドリブで話さなければならない時間もありました。(担当教員のひとり)ケビン(・ミラー)先生にも、どんな場合でも常に笑いなさいと言われていましたので、そこは気を付けていた点です。今回、司会が2回目ということもあり、周りを見渡しながら余裕をもってできたように思います」と話した。
 
 

また、座学での学びが今回の活動に生きたことも明かす。「石井泰幸教授のゼミナールで、ドラッカーを読んで経営学を学んでいます。その中で、リーダーシップは、コミュニケーション能力が大事だと言っています。メンバーが40人もいるので、学んだ理論がすごく役立ったし、うまく活用できたと思います。後輩には無理をさせてしまった気もしますが、これに懲りずにまた来年も続けてほしいですね」とほっとした表情を見せた。
 

担当教員のひとり、ケビン・ミラー専任講師(左)。学生に指導をしながら、ともにパーティの準備を行う。
 
 


自身の成長につながった活動

目谷くんは全体を振り返り、「運営としては遅れた部分もありましたが、クオリティの面では各部署ともどこも落とさず去年よりも上回れたと思っています。今回2年生の部署リーダー、3年生の部署リーダーの2名体制での部署運営に変更したのですが、意見をぶつけあいながらできていくパーティはとても見ていてワクワクしました。部署内も仲が良くいい連携がとれていましたし、ゲストからも沢山の賞賛の言葉も頂いたので、大成功だと感じました。それは、前回のハワイアンパーティ(※2)の反省も生かしつつ、全員が自分事にとらえることができたからではないでしょうか。今回はゲストが受賞者で表彰されるパーティでしたが、個人的には、プロジェクトメンバー全員と担当の先生を表彰したいですね」と語る。一方で、「モチベーションを保つのは難しかったです。自分が指示をするだけでなく、先陣を切って動かないと周りもついてこないことも学びました。こうして、実際にプロジェクトを運営して行くと授業で学んだことの実践や再確認にもつながりました。今まで様々なプロジェクトに携わらせて頂きましたが、こんなにも規模が大きくメンバーが多いプロジェクトに所属するのは初めてで驚きも多かったですが、何より、常に疑問を持って考えるくせがつきました。このプロジェクトの担当教員のひとり、松本(大吾)先生のゼミナールに所属しているのですが、先生からは『他人に説明できなければ自分でも理解できていない』と教えられました。この習慣のおかげで、プロジェクトでも私生活でも考えられる人間になれたように思います」と自身の成長について語る。
 

担当教員のひとり、松本准教授は、「ゲストの皆さんが楽しんでくださっていたようですので、そういう意味ではよかったと思いますし、ひとつひとつのコンテンツの質を高めることができていたのではないでしょうか。しかし各部署の連動は難しく、全体の管理はうまく回っていなかったように思います。点数をつけたら60点くらい。反省はそれぞれあると思いますが、なぜできなかったのか、それを常に考えてほしい。実感して終了ではなく、その足りなかった部分を自覚することで次へのスタートになると思いますから。不完全でもいいからとにかくひとつひとつやりきることが大事。10%でもいいから、やると言ったらやることが必要だと思いますね」と学生をねぎらった。
 

リハーサルで学生たちに指導する担当教員のひとり、松本大吾准教授。
 
 

参加したゲストからは、「初めてパーティに参加しましたが、クオリティが高いと思いました」「カーテンがあがって夜景が見えたり、エレベーター前の演出があったり、飲み物がお洒落だったり、驚きが多かった」「同じ仲間がここまでやれたのはすごいと思いました」「せっかく学生と教員がかかわれるいい機会なのでVIP席はないほうがいいと思いましたが、こうして楽しめる場所をつくってもらえたのはよかったです」と高評価の意見が多く、一人ひとりが大満足できた一夜となった。

「オリジナルドリンクがお洒落で豊富だった」という意見も多くあった。
 
 

※1 ジェフ千葉・プロジェクト「バスツアーで、千葉を盛り上げよう!」
※2 パーティ・プロジェクト「ハワイアンパーティ2017」


【パーティ・プロジェクト「Yellow Party 2017“RED CARPET”」Photo Album】

パーティ会場へ入るエレベーター前には、パパラッチやボディガードに扮したメンバーが待ち受ける。こうした演出を成功させるため、何度もリハーサルを行っていた。
デコレーション部署の作田一城くん(同3年)は、サービス創象くんのカラーリングを行ったひとり。「色を塗り、乾かしてを繰り返し、1週間かかりました。今回、黒、赤、ゴールドがテーマカラーだったので、ゴールドなら学部の色味(黄色)にも近いので採用しましたが、実際にライトを当てたらきれいに映ったのでよかったです。リーダーの高梨くんが、カラーリングを自分に任せてくれたのですが、頼ってくれたのが嬉しかったです」と顔をほころばせた。
フード部署の2年生のリーダー、鈴木陸央くん(右)は開場すると、ゲストを誘導。「今回、自分が動かないと、周りも協力体制になってくれないので、自分が率先して動くことが必要だと思いました」と話す。
笑顔が素敵な受付を担当のメンバー。VIP受付、当日受付など、ゲストによって受付を変え、スムーズな対応を心掛けた。
開場するとすぐに、お洒落をしたゲストたちが続々と入場。リハーサルの成果は出すことができたかな?
今井重男学部長がお嬢さんを連れて来場し、撮影ブースで、ツーショット写真!
「みんなでひとつのものをつくる充実感を得ることができたこと、そしてDJのやり方や照明、マッピングなど専門的なことを学ぶことができたことはよかった。後輩の皆さんも少ない時間を活用していいものをつくれるように頑張ってほしいです」と話した音響・照明部署のリーダー、太田直人くん。
同大学のチアダンスチーム「glitter’s」が開始早々、登場! カッコいいダンスパフォーマンスで会場を盛り上げる。
テーマカラーの赤、黒、ゴールドのいずれかを身に着けて、男子学生も今日はかっちりコーデ!
フードコーナーにはトロリとしたチーズが特徴のラクレットチーズのパスタも並んだ。チーズ好きにはたまらない一品だ。
前学部長の吉田優治教授(右上)が小さなゲストとともに、記念の一枚!
4人1組でクイズに答える「Kafoot!」ゲームも行われた。優勝チームをはじめ、3位チームまでに景品が贈られた。
ブースは床の高さを高くして、バーさながらの雰囲気をつくり出した。オリジナルドリンクもノンアルコール、アルコールと数種類用意された。
「YELLOW AWARD」入賞者の発表。ゲストの投票によって決まるベストドレッサー賞に選ばれたのは、赤いジャケットとドレスが似合うこの2人だ!
ベストドレッサー賞の殿堂入りを果たした今井学部長。「1年間、皆さんお疲れさまでした。ハッピーで楽しいこのようなパーティを開催してくれてありがとう!」とあいさつをした。