千葉商科大学サービス創造学部
パーティ・プロジェクト「Yellow Party 2016“New U”」
2016年12月22日(金)、「Yellow Party 2016“New U”」が千葉商科大学で開催された。年末恒例の同イベントは、2009年より同大学サービス創造学部の教職員と学生たちが交流を深める場として行われており、企画・運営は、同学部の「パーティ・プロジェクト」のメンバーたちが行っている。同イベントをどのようにつくり上げたのか、運営の裏側に迫る。
- リーダーの奥川祐也くんは、「夏に開催されたハワイアンパーティの時は司会を務め、大変だったけれどすごく充実した時間を過ごすことができました。今度は、自分が中心となってパーティを企画したいと手を挙げましたが、人を動かすことの大変さを痛感しました」と振り返る。
HUBで初開催されたパーティ
2016年の「Yellow Party」は、秋に瑞穂会館をリノベーションして開館した複合施設「The University HUB(以下、HUB)」で開催された。同施設は、同大学の学食「The University DINING」をはじめ、世界一の朝食を提供する「bills」、シドニー発のギリシア料理店「THE APOLLO」など話題の店舗を運営するトランジットジェネラルオフィスがプロデュース・運営を手掛け、内装デザインには新進気鋭のクリエイター勝田隆夫氏(ライン代表取締役)、ロゴデザインには表参道ヒルズをはじめとするするさまざまなロゴデザインを行うアートディレクター・グラフィックデザイナーの鈴木直之氏(ダイアグラム代表取締役)らが携わって誕生した。
そこでプロジェクトメンバーは、この新しい施設を舞台にパーティを企画することを提案。テーマは“New U”とした。どのような意味が込められているのか今回のリーダーを務めた奥川祐也くん(サービス創造学部2年)に聞くと、「新しい会場で開催するなら、部署ごとに最低一個、新しいことに挑戦しようと、みんなで取り組んできました。そこに、University(大学)、U(You=あなた)、United(ひとつになる)などいろいろな意味を込めて、“New U”にしたんです」と明かす。
そもそも新しい施設で開催するだけで、今までとは違った新しい空間づくりが行える。だが、フード、ドリンク、装飾、音響、照明、コンテンツ、会計、広報など、担当するメンバーそれぞれが、それに慢心することなくチャレンジした。
「HUBのお洒落な雰囲気を壊さず、いかに異空間の演出ができるか。そこで、僕たちは自分たちで海に行って拾ってきた流木や本物のグリーンといった自然なものを完成された空間に取り入れて、ミスマッチ感をつくりだそうとしました。年末はクリスマスを連想してしまいがちですが、そうならないよう、配色なども工夫しました。」(奥川くん)
リアルビジネスの結果
今年で8年目ともなるこのパーティだが、実はターニングポイントでもあった、と担当教員のひとり、松本大吾准教授は話す。「プロジェクト創設時の学生たちが卒業して久しく、このプロジェクトにかける思いや熱は徐々に薄れているのが事実です。メンバーのモチベーションを含めて、各々が自分事としてとらえることができるかが重要でした。ですから、自分たちが楽しむというよりも、まずお客様に喜んでもらって満足して帰ってもらうことを念頭にイベントづくりを行ってほしいと、何度も繰り返し伝えてきました。それは社会に出たら当たり前のことです。ですが、意外と学生たちが理解できていなかった部分だったと思います。このプロジェクトではリアルビジネスを経験することが大事。それができて初めて自分自身の成長につながるんだと思います。」
その言葉通り、パーティ当日は、メンバーそれぞれが自分自身の役割をきちんと把握し、笑顔と挨拶を心掛けて、ゲストに楽しんでいただくための“最高のおもてなし”に挑んだ。それには、ハワイアンパーティ(*)の際に、「サービススタッフの存在がありがたかった」というゲストからの声が多くあったことも影響しているという。
「喜んでほしいという気持ちがあれば、相手にもそれは伝わると思います。今日一日で“ありがとう”“お疲れ様”を何回も聞きました。大変だったけれど、頑張ってやってきてよかった瞬間だと思いました」と奥川くんはほっとした表情を見せた。