千葉商科大学サービス創造学部では、「企業から学ぶ」数多くの講義が行われている。同学部の公式サポーター企業である綜合警備保障株式会社(ALSOK)とともに行われている講義「ALSOKのサービス戦略(サービス創造実践1A)」もそのひとつだ。機械警備、常駐警備、綜管防災、情報通信、警備輸送など、警備サービスの根本を学生たちは学んでいる。

 

この日、講義に登壇した(左から)ALSOK常駐・綜管営業室 課長代理の會田みか氏、同・室長の清水了氏、主任・馬越洋介氏、同・主任の河津拓郎氏。


顧客満足は100点でなければならない

日本の警備、セキュリティサービスを行うALSOKは、1965年に創業、一昨年に創業50周年を迎えた。同社は、日本国内の経済社会のインフラとして重要な役割を果たしつつ社会のニーズに応える商品・サービスを提供し続けている。
警備の仕事も、顧客がいて初めて成り立つサービス業だ。顧客満足について、同社の常駐・綜管営業室 室長の清水了氏はこう語る。「このサービスは顧客満足が大事ですが、お客様が99点と感じるのであれば、それは不満でしかありません。顧客満足で一番大事なことは、100点でなければならないということ。その1%が足りないだけで大きく違います。逆に言えば、101点だったらそれは感謝に変わる。お客様に対価をいただきながら『ありがとう』と言われる立派なサービスをすること、それがALSOKの理念なのです。」
 

ALSOKの講師からさまざまな質問が投げかけられ、学生たちはグループで話し合い考える。


売り上げの4割を占める常駐警備、綜管防災

ALSOKグループの売り上げ構成比の4割弱を占め、重要な役割を担っているのが、常駐警備、綜管防災業務である。とくに2015年の常駐警備部門の売上は、業界トップに君臨する。
警備員が建物の入口で警戒したり、建物の中で巡回したりしながら、異常の早期発見や被害の拡大防止に努めるのが常駐警備だ。一方、綜管防災とは、綜合管理と防災を合わせた略語。綜合管理では警備業務、日々の清掃、定期清掃、特別清掃、空気環境、給排水設備管理、害虫の駆除、機械警備など、総合的にサポートをし、防災業務は消防法に基づき定期的に点検を行う。
なぜ、警備する会社が多岐にわたった業務を行うのか。同社常駐・綜管営業室 課長代理の會田みか氏は、「業務を一元化することでお客様にとっての負担が軽減する」と話す。かゆいところに手が届く業務が、綜合管理業務なのだ。
 

備蓄用食料品も「腹を満たす」ものから美味しく「腹と心を満たす」ものに進化していると言い、学生たちに試食を提供。


社会や顧客のニーズに合わせたサービスの展開

2011年の東日本大震災を機に、災害や事故が発生した際、重要業務の業務中断に伴うリスクを最低限にする戦略的な準備対策「BCP(事業継続計画)」が重要視されている。同社でも、こうした対策に対するサービスとして、災害対策用品を販売したり、防災訓練を行ったりしている。
一方で、高齢化社会に伴い、医療分野においてもサービスを強化。とくに寒い時期になると風呂場などで高齢者の突然死が急増するが、その原因の6割を占めるのが循環器疾患、つまり心疾患だ。その際に必要となるのが、心停止(心室細動)状態に有効とされる自動体外式除細動器、いわゆる「AED」である。AEDで電気ショックを与えることで心臓からの血液の拍出がゼロとなる「心室細動」を止めて心臓を正しいリズムに戻すのだが、AED使用法のトレーニングも同社の業務のひとつになっている。
 
単なる警備にとどまらず、社会や顧客のニーズに応えてさまざまなサービスを提供している同社。さまざまな業界が多様化していく昨今、満足度の高いサービスを追求する企業努力を感じるひと時となった。
 

最先端のセキュリティについて、河津氏は「人の警備とICT(情報通信技術)、IOT(モノのインターネット)を融合したものが、最先端の警備として広がっています」と、ウェラブルカメラやシミュレーションを行いながら説明した。

 

講義終了後も、学生たちが積極的にALSOKの講師たちに質問をする場面も。