千葉商科大学サービス創造学部・桐生南高校 共同企画「サービス創造熱血講座」
群馬県立桐生南高校野球部時代の先輩・後輩であり、現在は千葉商科大学サービス創造学部でともに特命教授を務める佐瀬守男氏(株式会社ホットランド代表取締役)と荒木重雄氏(株式会社NPBエンタープライズ執行役員事業担当)の提案で2014年度から開催されている桐生南高校と千葉商科大学サービス創造学部との共同企画シリーズ「サービス創造熱血講座」。その第7回講座が2015年9月17日に、同高校で開催された。今回登壇したのは、広告代理店「博報堂」のアクティベーションディレクターであり、同学部特命講師を務める山内真太郎氏。山内氏が語る「夢を叶えるための、情報発信力の鍛え方」とは。
「努力」が「運」の確率を上げる
夢を叶えるために何をしたらよいと思いますか? 僕の答えは「努力」。努力とは「運の確率を上げること」だと思っています。努力とは大きく分けて2種類あります。
1.自分を高めるための自助努力
2.周囲を巻き込む努力
今回のテーマである「情報発信力」を鍛えるためには、特に2番目が必要です。
僕は高校時代、エジプトの考古学者になりたいという夢を持っていました。それを叶えるためには、早稲田大学に行かなければならなかった。しかし模試の結果はいつもE判定、必死に勉強をしました。試験では、自分がやったことのある問題が丸ごと出題されるという奇跡が起き、無事に入学できました。
就職活動を目前にした頃には、考古学者ではなく、人に何かを伝える、人の気持ちに対していろいろな判断軸を与える仕事がしたいと考えるようになりました。そして、言葉によって企業や人をつなげる広告のコピーライターを志したのです。しかし、博報堂の募集期間中はエジプトに行っていて、書類提出が間に合わなかった。諦めきれなかった僕は、アポなしで面接会場に行き4時間待ってなんとか面接をしてもらえるまでにこぎつけました。もちろん運が良かったこともありますが、運の確率を上げたは、努力があったからこそ。食らいつくことが大事なんです。
10代で成功した人たちの共通点
実は、皆さんと同じぐらいの年齢で、すごいアイデアを出した人たちがたくさんいます。
●ボヤンスラット氏(当時17歳/オランダ)
海に漂うゴミを年間725万トン回収できるシステム。33分の1のコストで、7900倍の速さで回収できるというもの。
●イーシャークハレ氏(当時18歳/アメリカ)
スマホや携帯電話の充電を30秒でできる装置を開発。
もちろん日本にもすごい10代はたくさんいます。僕なりに彼らの共通点を考えてみたところ、才能があったというだけでなく、「自分がどういう人か理解して、何をしたいかという目標をはっきりと持っていた」ということ。そしてそれを自分の周りや世の中の人に発信していきました。たとえば、サッカー日本代表で、ACミランでプレーをしている本田圭佑選手も、プロゴルファーの石川遼選手も、メジャーリーガーのイチロー選手も、小学校の頃から自分がどうなりたいか明確な目標を持っていたのです。
あなたは、どんな人ですか?
今回、事前にあなたはどんな人ですかというアンケートに答えてもらいましたよね。
「ほめられると伸びるタイプ」
「ありがとうを毎日自然と言えるようにしている人」
「夜も寝られないくらい熱血講座を楽しみにしている人」
「自分の嫌いなことは友達にするだめ人間」
「unknown」
「天界と冥界をつかさどる神」
「平凡な人!!!!!!!!!!!!!!!!」
さまざまな意見がありましたが、とくに多かったのは、「普通の人間です」という答え。僕は皆さんに言いたいのは「心のパンツを脱いでほしい」ということです。自分の気持ちをさらけ出すということは、別に恥ずかしいことではありません。夢がはっきりと見えたら、自分のコミュニティの外に向けて、とくに本気でサポートしてくれる大人がいる場所で、「やりたい」という思いをぶつけてください。
また、自己責任にはなりますが、自分の夢のサポートしてくれる人を見つけるために、ソーシャルメディアを活用するのもいいと思います。僕は、何かに夢中になっている人を本気で尊敬します。
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10月21日には、同学部のユニバーシティアワーのゲストスピーカーとして登壇した山内特命講師。ニュースアプリ「グノシー」や旅のSNS「trippiece」など、大学在学中にベンチャー企業を立ち上げて成功させた人たちを例に挙げながら、「夢を叶えるために必要なこと」について語った。特に重要なことに、1.セルフブランディングの努力 2.自己研鑽の努力 3.発信と発見の努力の3つを挙げ、「周りの人たちを使い倒すことも大事だし、努力は夢を100%に近づけるためにすること。そのために3つの努力をたゆまずやってほしい」と学生たちに呼びかけた。