千葉商科大学「THE University LIVE」インタビューvol.2

透明感のある歌声、柔らかいピアノの音色――。ライブ会場内を優しい雰囲気に包んだのは、シンガーソングライターの南壽あさ子さんだ。2015年6月21日、千葉商科大学のオープンキャンパス内で高校生限定のスペシャルライブ「THE University LIVE」が開催され、南壽さんをはじめ、近藤薫氏、石崎ひゅーい氏、七尾旅人氏らが人気アーティストが集結した。南壽さんは歌を通して学生たちに何を伝えたかったのか。Kicky!編集部が迫る。

 
 


物心つく前から歌うことが好きな少女

千葉県市川市生まれの南壽さんは、両親が音楽好きだったこともあり、物心つく前から歌うことが好きな少女だった。5歳の時にピアノを習い始めたことがきっかけとなって、弾き語りが「気持ちいい」と思うようになった。
「学生時代にも色々な経験をしましたが、やはり私は音楽にかかわっていきたいと常に思ってきました。たとえば中学の時も、周りには自分が何をやりたいかわからないという子もいたのですが、私ははっきり音楽がしたいと決まっていました。その点に関しては非常に恵まれていたと思います。」
そんな彼女が本格的に、作曲活動を始めたのは20歳の時のこと。「音楽しかやらないと決めていたんですけれど、音楽の大学ではなくあえて普通の四大を選んだのは、音楽をやりたい人だけではなく、色々な人に出会えると思ったからなんです。」
東京・吉祥寺の大学に通い、その地でライブ活動を始めた。
「今の事務所も吉祥寺にあって、老舗のライブハウスをたくさん持っています。そこで何度か歌わせていただくうちに、デビューの機会を得ることができました」と南壽さんはデビュー当時を振り返る。
2012年6月にインディーズデビュー、翌年には、『わたしのノスタルジア』でメジャーデビューを果たした。現在は、CMソングなど、アーティストとしてだけでなく、ナレーション、声優などと幅広く活躍をしている。
 

「見たこともない世界を自分で選択しなければならないというのは、私自身すごく悩んだこと」と南壽さん。


経験こそが悩みを解決する近道

デビューから2年――。現在、26歳と、今回ライブに集まった学生たちとも年齢が近い南壽さんだからこそ伝えたかった思いを聞いた。「高校生って子どもでもないし、大人というにもまだもう一歩のところで、すごく不安定な時期だと思います。これまで私自身、色々な迷いがありましたから、みんなの気持ちがすごくよくわかります。なるべくその時のことを思い出しながら歌いました。ただ、色々なことに悩んでも、みんなそれぞれが経験して学んで解決していくこと。ですから、みんなを見守りたい気持ちが強かったです。歌いたい曲はたくさんありましたが、未来のこと、過去のことを回想している曲をなるべく選びました。歌詞の一言だけでもみんなの心に残ればいいな」と、歌に込めた思いを語った。

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将来に悩む学生たちに向けて「一番は人との出会いだと思っている」と語った南壽さん。「色々な人に出会い、色々な人の人生を感じることによって、自分自身が見つかっていく。人はひとりでは生きていけないし、他人の言葉で、人生が決まったりすることもあると思う。なるべく、多くの人と出会い、その人の言葉に耳を傾けてほしいなと思います」と、学生たちに向けてエールを送った。
 

大学のある市川市で生まれた南壽さんは「ここに集った方々も同じ景色を見てきた人だと思うので、身近な気持ちで聞いてもらいたかった」と語った。

 

<プロフィール>

南壽あさ子(なす・あさこ)

シンガーソングライター。
1989年千葉県市川市生まれ。2013年10月、1st シングル『わたしのノスタルジア』でメジャーデビュー。全国ラジオパワープレイを40局以上獲得しこの月の邦楽・洋楽OA回数1位となる。積水ハウスシャーメゾンのTVCM『積水ハウスの歌』、ポッキーのラジオCM『ポッキー/話そうよ篇』の歌唱を担当。2015年には、企業CMナレーション、ゲーム「ブレイドアンドソウル」で挿入歌の歌唱や声優や、絵本「ねずみくんのチョッキ」とのコラボレーションなど活躍の場を広げている。 
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