AKB48やV6、東方神起など数々のアーティストに楽曲を提供しているシンガーソングライターの近藤薫氏が作詞・作曲を手がけた『もうひとりの君』。2015年5月某日、千葉商科大学の新学食「The University DINNING」において、同大学サービス創造学部の教職員、学生たちが集まり、第1回プロモーション作戦会議が開催された。

 


サービス創造学部が『もうひとりの君』の原盤権を購入

『もうひとりの君』は、昨年11月より、群馬県立桐生南高校で行われた千葉商科大学サービス創造学部との共同企画による4回シリーズ「サービス創造熱血講座」から誕生した楽曲だ。桐生南高校野球部時代の先輩・後輩であり、現在は千葉商科大学サービス創造学部でともに特命教授を務める佐瀬守男氏(株式会社ホットランド代表取締役)と荒木重雄氏(株式会社NPBエンタープライズ執行役員事業担当)が提案して実現した「熱血講座」。その講師として登場した近藤氏は、桐生南高校のために書き下ろしたオリジナルソング『もうひとりの君』を披露して高校生たちの心をつかんだ。
同学部では、近藤氏とともに同曲の原盤権を共同所有することを決定。プロモーションを通して、同学部の学生たちと高校生たちのリアルビジネスラーニングに活用することにした。

 
 

プロジェクト大作戦会議には、教職員、学生含めて20人近くが参加した。


6,000人の学生たちのアイデアを

大作戦会議当日は、近藤氏、荒木特命教授を含め、教職員と音楽に興味を持つ学生たちが20人近く集まった。
陣頭指揮をとる同学部の吉田優治学部長は、「桐生南高校の高校生はもちろん、千葉商科大学の大学生たち、日本中の若い人たちにこの曲を届けられたらという想いがあります。どういう風にすればよりよいプロモーションができるか、この大学の6,000人の学生たちそれぞれがアイデアを出してほしい。そして、このプロモーション活動を通し、自分たちがビジネスモデルをつくるきっかけになればいいと思っています」と学生たちを前にプロモーション活動の狙いを語った。
 
近藤氏はこの楽曲について、「人生迷っている方とか、ちょうど分岐点に立っている方に向けてつくりました。最終的には正解、不正解はなくて、自分の信じた道に進むことが一番。そういう時にこそ、もうひとりの自分を信じて、最初に思ったように行動すればよいという気持ちを込めました」とコメント。さらに、「音楽業界ではないところで、プロモーションを一緒に考えられる、新しい音楽業界の形が探せるので楽しみです」と、このプロモーションに期待を寄せた。
 
一方、学生たちがこのプロジェクトにかける想いを、それぞれ語った。
学部内のカリキュラムのひとつ、エンターテインメント・プロジェクトでサブリーダーを務めている田中そのかさん(サービス創造学部2年)は、「エンタメのビジネスはもちろん、エンタメプロジェクトの活動のためのステップアップになるのではないかと思い、この会議に参加しました。将来、音楽業界に行きたいと思っているので、勉強のためということもあります。近藤さんのレコーディングにも参加させていただきましたが、初めての現場でワクワクしました」と、興奮冷めやらぬ様子で語った。サービス創造学部2年の小林尚平くんは、「音楽が好きで、音楽に救われた経験が何度もあります。音楽の力を発信して、悩んでいる方、将来に不安を抱えている方の後押しをしたいと思う」と語ると、金城郁哉くん(サービス創造学部1年)も、「ひとつの音楽が世に出て行くまで一緒にプロデュースしたい」と意気込みを見せた。
 
 

プロモーション会議には、責任者であるサービス創造学部の吉田優治学部長(右)と、西尾淳教授(中央)、滝澤淳浩准教授(左)らが参加。


学生ならではのアイデア

プロモーションするにあたって、どのようなアイデアが考えられるか学生たちに問うと、「高校生と大学生は、夢に迷いがある年齢。そんな学生たちの多くにこの曲を届けたいので、学生たちに合唱してもらってネットで配信する」(田中さん)、「動画は紹介しやすいのでミュージックビデオや、カラオケ動画を集めたコンテストを開いてはどうか。また、学校内でも定期的にこの曲を流したい」(平井滋己くん/サービス創造学部1年)、「歌やギターがうまくなりたい方を対象に、近藤さんに教えてもらう」(小林くん)、「学生は自ら行動するよりも受身の場合が多いので、学生たちに寄り添っていくスタンスも必要」(豊島駿之将くん/サービス創造学部1年)など、学生ならではの発想で活発に意見交換が行われた。
 
荒木特命教授は、「今日ここに集った学生さんたちには、プロモーションにかかわって一緒に盛り上げたいという共通の想いがある。“徹底的にアナログで行こう!”というのもいいかもしれません。アナログ的なコミュニケーションで、近藤薫を知ってもらう仲間を増やしていくというのはどうか」と伝えると、近藤氏は「この曲を題材にして、歌ってもらう、演じてもらう、歌詞を変えるなど、コンテストで個々にアピールしてもらう場を設けるのもよいかもしれません。一般的に、音楽業界の発展を妨げているのは著作権の問題ですが、今回の場合、そこはあまり気にしなくていいので、ぜひ柔軟に自由に考えてもらいたい。僕の作曲家人生のなかでもかなりの自信作。力を貸してほしいです」と学生たちに訴えた。
 
 

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6月21日の千葉商科大学オープンキャンパス当日には、サービス創造学部の公式サポーター企業「ぴあ」の協力のもと、高校生を対象とした「University LIVE 2015」を開催する。ここでは、近藤氏をはじめ、石崎ひゅーい、南壽あさ子、七尾旅人といったアーティストが出演予定。またこのライブ会場で、熱血講座の講師として登場経験のある桐生出身の映画監督・草野翔吾氏を招いて撮影した『もうひとりの君』のプロモーションビデオも公開予定だ。この楽曲がここからどのように広まっていくのか、今から期待が高まる。
 
*University LIVE 2015
・日時:6月21日(日)15時開演
・会場:千葉商科大学 本館7階大ホール
※詳細・関連情報は「The University LIVEのブログ」で。
 

 
 
*関連記事
『もうひとりの君〈DEMO ver.〉』
もうひとりの君。/近藤薫 ~千葉商科大学サービス創造学部・桐生南高校 共同企画「サービス創造熱血講座」~
強い意志とあきらめない気持ち。/荒木重雄 ~千葉商科大学サービス創造学部・桐生南高校 共同企画「サービス創造熱血講座」~
 
 

『もうひとりの君』の作詞・作曲をした近藤薫氏も、学生たちの意見を聞きながら真剣な表情。
吉田学部長は、「“近藤組”をつくって、みんなで近藤さんを応援しよう!」と学生たちを鼓舞した。
「吉田先生の授業で、初めてこの曲を聞いた時からこのプロモーションにかかわりたかった」と話す平井滋己くん(サービス創造学部1年)。
田中そのかさん(サービス創造学部2年)は、「歌詞が学生たちにダイレクトに伝わってくる。とくに、『未来はひとつじゃない~自分の瞳で選んでいこう』という部分が好き」とコメント。
豊島駿之将くん(サービス創造学部1年/右)は、「最近、いろいろ胸に抱えていたものがあったのですが、この曲を聴いて楽になるような気持ちになりました」と感想を述べた。
小林尚平くん(サービス創造学部2年/右)は、「夕方の日が落ちる頃に、河川敷や、大学で聞いたら涙が出ちゃいそう」とこの曲の印象を語る。
荒木重雄特命教授(右)は、「このプロジェクトにかかわっていく中で、もっともっと近藤薫を好きになってほしい」と学生たちにメッセージを送った。
「最近電子音が多い中、この曲は涙が出るような感動を覚える曲」と今井悠希くん(サービス創造学部1年/右)。
中村聡宏専任講師(右端)は、「近藤さんの曲、声、人柄が本当に大好きです。知恵を出し合って、みんなと一緒にこの曲をプロモーションしたい」と抱負を述べた。