ナショナル・バスケットボール・リーグ(NBL)に所属するバスケットボールチーム「千葉ジェッツ」。12月14、15日には「千葉商科大学マッチデー」が組まれ、サービス創造学部の「Go! Go! 千葉ジェッツプロジェクト」に参加する学生たちが会場内のイベントを企画・演出した。2試合を観戦した吉田優治学部長の目に映ったものとは。

 

球団とともに成長したい

 

2010年、日本プロバスケットボールリーグ(bjリーグ)参入を目指し、「千葉プロバスケットボールチーム準備委員会」が設立されました。そして「千葉ジェッツ」という名称でチームが誕生し、千葉県初のプロバスケットボールチームとしてリーグに参加することになったのは2011−12シーズンからでした。2013-14シーズンからは、日本バスケットボール協会が設立した新リーグ「ナショナル・バスケットボール・リーグ」に参加して戦っています。
チームの創設メンバーで当時25歳だった蒔平ゆきさんのプロバスケットボール球団設立への熱い夢に、学部設立間もない学部長として「一緒に夢を追いかけたい」という気持ちを強く持ちました。成長する球団と一緒に学部も学生も成長したいと思いました。だから学生プロジェクトをつくって応援してきました。そうした思いを学生たちと共有したいと考えてきたのです。
ジェッツのスポンサーとして支援するとともに、「千葉商科大学マッチデー」の際にはこの千葉ジェッツプロジェクトに参加する学生たちがイベントや会場演出を企画し実行しています。今年も蒔平さんを特命講師としてお招きし、学生たちの意見をとりまとめていただきながら、「Go! Go! 千葉ジェッツプロジェクト」と銘打ったさまざまな企画を実現させました。

 

 

真のプロフェッショナルを目指して

 

今年新リーグに参加したジェッツは苦戦が続いています。12月14日の対和歌山トライアンズ戦、15日の兵庫ストークス戦の2日間にわたって開催された千葉商科大学マッチデーでも接戦を落とし、ついに20連敗となりました(その次節で勝利し連敗はストップ)。

コートの外では学生たちが躍動し、会場内は大きな盛り上がりを見せていました。勝てば盛り上がって観客が多いが、負ければ盛り上がらずチケットが売れない、ということではなかなか安定した経営は成り立ちませんから、スポーツビジネスの世界では「勝敗に左右されないマネジメント」が求められます。勝敗に関係なく、観戦に訪れたお客様にいかに喜んでいただくかが大切な視点であることは確かです。
しかし一方で、スポーツである以上、お客様に喜んでいただく最高のプレゼントは勝利であることは言うまでもありません。非常に残念なことですが、20連敗はプロチームとしてはあってはならないことだとも感じます。監督、コーチ、選手、経営者も含めて、高いプロ意識をもって奮起してほしいもの。コートにおいてもビジネスにおいても、真のプロフェッショナルとしての姿を見せてくれることを期待しています。

 

 

プロの視点でサービス創造を

 

日本におけるサービスマインドについてのプロ意識はまだまだと感じています。サービスを提供する側のプロ意識を醸成するためには、サービスを受ける側の人間がもっと質の高いサービスを求めないといけないのかもしれません。
お客様に満足していただけているだろうか。お客様に対してもっとできることはないだろうか。顧客のニーズに応えるべく、あらゆる観点からサービスを見つめ追求し創造していくことが本当の意味のプロ意識につながって、社会全体でのサービスクオリティが高まっていくのだと思います。
これは大学の教育においても同様です。
千葉ジェッツプロジェクトを進める際、「自分たちが楽しむこと以上に、まず、お客様に楽しんでいただけるかどうかを考えよう」と特命講師の蒔平さんが学生たちに繰り返しお話ししてくださいました。実際にプロジェクトを終えた学生たちからは「今年の反省や経験を次につなげたい」「来年はもっとクオリティの高いものをつくり出したい」といった建設的な声も聞こえてきました。
千葉ジェッツとの連携はリアルスポーツビジネスを体験できるチャンスです。千葉ジェッツが真のプロフェッショナルとして成長していくとともに、このプロジェクトを通じて、学生たちがプロフェッショナルなサービスマインドを身につけてもらえるように、これからもともに成長していけると嬉しいですね。

 

【Photo Gallery】コート外の熱き戦い/千葉ジェッツプロジェクト・奮闘する学生たちはこちら

 

 

<プロフィール>

吉田 優治(よしだ・ゆうじ)

000790専門:経営管理論・経営教育論・サービス創造論

1987年青山学院大学大学院経営学研究科博士課程修了。同年、稚内北星学園短期大学経営情報学科専任講師。1989年千葉商科大学商経学部専任講師に就任、助教授、教授を経て、2009年新設の「サービス創造学部」初代学部長・教授に就任、現在に至る。アメリカ経営学会・経営教育部会日本担当理事、2013年8月より全国ビジネス系大学教育会議会長。アメリカ経営学会よりアワード(2001~2008年)、韓国経営教育学会より学術賞(2009年)、日本マネジメント学会から国際貢献表彰(2013年)など。2000年ボストン日本人研究者交流会(Boston Japanese Researchers Forum)設立。

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