株式会社ハウスメイトパートナーズ
グループ経営本部 人事部
アシスタントマネージャー 水口朝也
株式会社ハウスメイトパートナーズは、不動産業界の主な4分野である「不動産開発」「ゼネコン」「取引」「管理」のうち、賃貸不動産の「取引」と「管理」に特化した企業だ。賃貸不動産業界で働くうえで大切なことは何か、同社のグループ経営本部人事部アシスタントマネージャーの水口朝也氏が語った。
人間の生活に欠かせない「住」に関わる仕事
「『不動産』とは何のことでしょうか?」
冒頭、学生に問いかけた水口氏。「不動産」とは、文字通り動かせない資産であり、「土地」や「建物」を指すことである。
「地球がある限り『不動産』はなくなりません。生活の根幹に関わる仕事だからこそ、責任も大きく、多くの専門的な資格も必要となります。しかし、人の暮らしを支えるために何よりも大切なのは人の力。『人間力』で勝負できる仕事です。」
「取引」と「管理」に特化している同社は、中でも「賃貸不動産」に注力している。具体的には、賃貸不動産を経営するオーナー、いわゆる「大家さん」のサポートや物件の管理などを行うほか、入居者に対しては家探しのみならず入居後のケアもしている。オーナーには「安定した賃貸経営」を、入居者には「安心・安全な住まい」を提供することで、売買のような1回限りの取引ではなく、深く永いお付き合いができると考えている。
重要なのは「人間力」
インターネットが普及した昨今、情報を持たずに受け身で来る人はほぼいないという。同社のWEBサイトでも、部屋や住環境の動画配信や、家具配置用のシミュレーターの提供に力を入れており、今後、より具体的に「暮らし」をイメージして来店するお客様がますます増えると想定している。
それでも、同社が最も大切にしているのが「人間力」だという。時にはオーナーと入居者の相性も考えて物件を紹介することもあるそうだ。
「今の時代、インターネットの普及により『不動産情報』での差別化が難しくなっています。だからこそ、『人』や『サービス』での差別化が必要です。『住まい』という大切なものを扱う仕事だけに、お客様からの『信用』を第一に考えなくてはいけません」と水口氏は話す。
具体的にはどういう人がこの業種に向いているのか。
1.人と信頼関係を築ける人
嘘をつかない、約束を守る、挨拶ができる等、どれも社会人として基本的なことだが「信頼できる」と感じてもらえることが最も大切。
2.世話好きな人
人の話をきちんと聴くこと。そこからニーズを拾い、親身になって物件を探せる気質がある、途中で投げ出さずに辛抱強く寄り添える人。
3.不動産広告を眺めるのが好きな人
間取りから家具の配置や暮らしをイメージできる人。そこが、お客様の立場になっての提案につながる。
いずれも、賃貸不動産業界に限った話ではないだろう。「人」があっての暮らし、「人」と「人」とのお付き合いを重視する同社ならではの人物像といえる。
年々多様化する価値観に合わせたサービスを提供し続けるには、「人の力が重要」と力説する水口氏。本講義中もクイズを出したり、何度も教壇を降りて自ら学生の方へ歩み寄って質問を投げかけたりするなど、終始学生とのコミュニケーションを重視していた。まさに、「人間力」を大切にしている同社の姿勢が表れた講義だった。