千葉商科大学サービス創造学部 スポーツビジネスプロジェクト始動
千葉商科大学サービス創造学部のスポーツビジネスプロジェクトが幕を開けた。「プロジェクト実践」と名付けられたカリキュラムは、千葉商科大学サービス創造学部が行うアクティブ・ラーニング講義のひとつ。学生自らが企画・実践し、スポーツやエンターテインメント、イベント企画など分野で、多くの学びを得ている。
中でも、スポーツビジネスプロジェクトは、千葉ロッテ、千葉ジェッツという野球とバスケットボールのプロスポーツ球団と連携し、リアルなスポーツビジネスを体験しながら学ぶ。今年度の活動の狙いとは。
チームを好きになって、自分事にできる活動を
千葉ロッテ、千葉ジェッツの両プロジェクトは、同学部の公式サポーター企業となっている、プロ野球チーム「千葉ロッテマリーンズ」とバスケットボールチーム「千葉ジェッツ」の両球団が、学生と連携して活動を行うオフィシャルプロジェクトだ。両プロジェクトともに、毎年同大学のマッチデーとして組まれているホームゲームを盛り上げや、地域住民や子どもなどチームのファンと交流を深めるイベント演出の企画・実践をしてきた。
2015年度の第1回目となった4月8日の講義では、千葉ロッテ、千葉ジェッツが合同授業を開催。
冒頭、それぞれの講師陣が挨拶。千葉ジェッツを運営する(株)ASPE執行役員で、同学部の特命講師を務める梶原健氏は、「野球、サッカーと比べたら、バスケットボールはまだまだマイナーな競技ですが、2016年10月からの新リーグ誕生に伴い、メディアに注目され盛り上がりを見せると思います。その過渡期にあるスポーツチームに参加できるということは、少なからず皆さんのためになるはず。千葉ジェッツというチームを好きになってもらい、ぜひ自分事にして活動してほしいと思っています」と抱負を述べた。また、千葉ジェッツ・プロジェクトの担当教員である滝澤淳浩准教授も「観戦料を払って来るお客様にも楽しかったと思えるものを創造してほしい」と目標を見据えた。
また、千葉ロッテ・プロジェクトを担当する森澤和美特命講師は、「なぜこのプロジェクトに参加するのか、活動を通じて何を身につけるのかよく考えることが大切」と学生たちに問いかけると、中村聡宏専任講師は、「これまで、スポーツビジネスの経営者と多くのお話をさせていただきました。その知見をみなさんにすべて注入して、プロジェクト活動を考えていきたい」と意気込みを語った。
スポーツビジネスプロジェクトが目指すもの
まずはそれぞれの「プロジェクトの目的は何か」について学生たちから意見を募った。去年からプロジェクトに参加している3年生を中心に学生から積極的に手が挙がり、「試合を見に来て、ファンになってもらい、もっと盛り上がっていけるような仕組みづくりがしたい」(市村創一郎くん/サービス創造学部3年)、「試合を通して勇気を与えて、笑顔になってもらいたい」(青木雄大くん/サービス創造学部3年)、「去年の経験では人を呼ぶのに苦労した。野球の楽しさをもっと多くの人に伝えたい」(井出拓也くん/サービス創造学部3年)と、このプロジェクトにかける思いを語るなか、中村専任講師は、「スポーツビジネスプロジェクトの目的は、スポーツビジネスを体験的に学び、ビジネス構造を理解し、仕事の進め方を知ること。これまでの活動にとらわれず、スポーツクラブが抱える課題解決を目指して、新たなサービス創造・事業開発に挑もう」と呼びかけた。
その上で、今回のプロジェクトの方針として、「マッチデーがすべてじゃない」「スポーツインターシップ体験をしよう」「観客動員を増やすために」「競技の枠を超えていこう」「スポーツ観戦の達人になろう」の5つを提案。
「スポーツインターシップ体験」においては、梶原特命講師から、「たとえば、千葉ジェッツの組織の中に『CUC事業部』をつくり、皆さんが千葉ジェッツの名刺を持って活動をするなど、スポーツビジネスの現場でもっとリアルにかかわる枠組みがつくることができればいいと思っています」と前向きな発言をした。
また、社会人アメリカンフットボールチーム「オービックシーガルズ」の運営事務局、チームセールス担当の脇田雅史氏がゲストで登場。「ファンの皆さんにワクワクしてもらいたいという思いを持って活動している」とチームの目指す姿を語るとともに「このプロジェクトメンバーとともに、競技の枠を超えて連携していければ」と呼びかけた。
サービス創造、イノベーションのカギとは?
中村専任講師は、「吉田優治学部長は常日頃、『サービスを創造しなさい』と言っています。でも実は、これはビジネスマンにとってもなかなか難しいことです。そのためには、自分たちが持っている引き出しや、自分たちが得た情報を掛け合わせていくことが大事。ビジネスシーンでイノベーションを起こしている人たちは、既存のサービスや知見の中から物事を掛け合わせています。皆さんも柔軟な発想で、もっともっと引き出しを増やし、それを活用してほしいと思います」と学生たちに語りかけた。
そして、「観戦者、ファンを増やすためにも、スポーツ観戦をするための知識を深めてほしい」とも。「例年はそれぞれのマッチデーありきでした。マッチデーをどうやって盛り上げるのか?というところに始まり企画を練ってきた。当然マッチデーも大事だが、そこだけにとらわれることなく、また競技の枠も超え、スポーツビジネスの全体構造を把握しつつ両プロジェクトで連携を図りながら、広い視野で新しい取り組みにチャレンジしていってほしい」と訴えた。
スポーツビジネスにおける新しいサービス創造にも挑んでいく両プロジェクトチーム。今年度、どのような活躍を見せるのか楽しみである。
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