千葉商科大学HUB&DINING
公認DJ育成プログラム
千葉商科大学サービス創造学部は、学生自身が興味やチャレンジする気持ちさえあれば、さまざまなチャンスをつかむことができる学部だ。同学部で、このたびDJ育成プログラムが実施された。全8回のプログラムでは、同大学の学食「The University DINING」を舞台に、トップDJの北郷満春氏とKAZUMA TAKAHASHI氏による指導のもと、選曲法や演奏技術を学ぶ。どのような講義が行われたのか、Kicky!編集部が潜入した。
学生たちに音楽を通して与える刺激
そもそもDJとは何か。
辞書では「ディスコやクラブなどで、ダンスミュージックを選曲してかける人。また、ミキシング(二つ以上の音を混合させ、ひとつの音にする)やスクラッチ(レコード盤(CD)を逆回転させてノイズを出したり、曲の途中で他の曲に移行したりする)などの技法を用いて、レコードによる演奏・パフォーマンスを行う人を指す」とある。本プログラムでは、こうした知識がなくても一から丁寧にレクチャーしてくれるというから安心だ。音楽を専門とする大学でもないのに、なぜこのようなプログラムが実行されることとなったのか、発案者である同学部の吉田優治学部長は、「私自身も音楽を聴くとすごく元気になりますし、音楽が学生に与える刺激はすごいと思っています。ただ大学の中で音楽を演奏したり、自分たちでつくったりすることはありませんでしたので、大学の教育に入れたらどうかとずっと考えていました。これがスタートライン。ここでスキルアップした学生がいたら、ぜひ公認の学生DJとなってほしい」と狙いを語る。
世界的DJ大沢伸一氏の門下生からレクチャー
今回、講師を担当するのは、現在、同学部の特命教授でミュージシャン、DJ、プロデューサーとして多方面に活躍している音楽家の大沢伸一氏の“門下生”2人。北郷氏は、代々木VILLAGE MUSIC BARミュージックセレクターを担当する傍ら、大沢特命教授とともにバンドAMPSでギター、マニュピュレーターとして活動をしている。一方のKAZUMA氏は、DJの世界大会で日本人初となる最終選考6人に選出された日本屈指のDJだ。
第1回講義では、DJの基礎知識と音楽のジャンルについて、選曲を担当する北郷氏の解説とともに、KAZUMA氏がCDJ、ミキサーを使った実際のプレイを見ながら学ぶこととなった。KAZUMA氏は「結局は自分が好きな音楽を流せばいいと思います。最終的には、自信をもって人前で演奏することが大事」と語ると、北郷氏も、「音楽の好き嫌いは自由。ですから正解はありません。もちろんこれとこれを掛け合わせたら面白いとかそういうセンスも重要ですが、各々カッコいいと思う曲は違いますから。結局はそれを聞いたお客さんの判断によりますよね」と自由な発想を学生たちに求めた。
DJを通して得られること
今後は、このプログラムを通して、今年秋にオープン予定の複合施設「HUB」や「DINING」で公認DJを輩出し、音楽セレクトやDJプレイ、各種イベントでの音響担当もできるようになるという。「フォークロックが好きなので、DJでカッコいい曲をつくりたい」(金丸裕志くん/商経学部2年)、「高校時代に周りの友達がやっていて興味があった。友達がラップをやっているので、その後ろでDJができたら」(飯島湧希くん/サービス創造学部1年)、「EDMとかダンスミュージックの作曲をしているので、今回の講義を通し知識を増やせたらと思った」(小菅聡真くん/サービス創造学部1年)、「DJを1年くらいやっていますが、独学なので技術・選曲も含めて学びたい」(茂木啓多くん/会計ファイナンス学部1年)、「とにかくDJをやったら有名になれるかなと単純な理由で参加した」(佐々木傑くん/サービス創造学部2年)と、それぞれ参加理由はさまざまなだが、明確なゴールがあるだけにやる気は十分だ。
これに対し、KAZUMA氏は自身の学生時代を振り返り、「僕もDJは大学時代にモテたい一心で始めましたが、結果的には音楽が好きでのめりこんでしまった。始めるきっかけは何でもいいと思っています。練習することもちろんですが、まずは音楽をたくさん聞いて、いろいろなところに出向くことが大事。僕はそもそも人前で何かをすることに抵抗があるタイプでしたが、DJを通して表現すること、伝えることに慣れてきたと思います。ですから、人前でアピールすることに慣れれば、もしかしたら就職活動にも役に立つかもしれないですよね」と初心者の学生たちにエールを送った。
今後もDJ養成講座は続く予定だ。大学公認学生DJは誕生するのか。技術的なことだけでなく、人間としても成長できそうなDJ育成プログラムの今後の展開に期待したい。