千葉商科大学サービス創造学部
Our weddingプロジェクト

2016年12月9日、学生たちの手で企画・運営されるOUR WEDDINGプロジェクト「Smile Pray Love ~笑って 祈って 恋をして~」が開催された。今年度は、これまで行われてきたブライダルファッションショー中心の構成ではなく、一組のカップルによる模擬結婚式と披露宴を行い、その中に披露宴の参列者たちのファンションショー、イベント入場者も参加できる写真撮影タイムを設けるなど、盛りだくさんな内容となった。プロジェクトの中核を担い、さまざまな問題を乗り越えた学生メンバーに話を聞いた。

 


とにかく、動いてみよう

今回、広報班のリーダーとしてプロジェクトを引っ張った深澤佳奈さん(サービス創造学部3年)は、前年度(2015年7月開催)のOUR WEDDINGプロジェクトにも参加、イベントが終わってすぐ「次はもっといいものをつくってみせる」と心に決めた。しかし、定年を迎えた担当教員の井上義次教授(当時)の退任に伴い、プロジェクトが存続するかもわからない状況となった。
「『次』があるかはわからなくて不安でしたが、やりたいんだからとにかく動こうと。それで、その時のメンバーの中から特にモチベーションが高い何人かに声を掛けたんです」(深澤さん)
副代表の佐藤秀勝くん(サービス創造学部2年)は、その時に誘われたひとり。「前年度のプロジェクトでは1年でしたが、結構しっかり関わっていました。それを先輩たちがちゃんと見ていてくれたと分かって嬉しかったです」と当時を振り返る。2015年の夏、今回のイベント本番から1年以上も前のことだった。
秋には代表の佐藤拓弥くん(サービス創造学部3年)も加わって、2年生6人、1年生2人(当時)の幹部メンバーが固まった。週1、2回のペースで集まり、案を出してはダメ出しをし合うといった会議を進めていたという。
「会議だけではなく、バーベキューに行ったり、まずは幹部同士の絆を固めていっていました。私自身はブライダル業界に興味があるので意欲は人一倍強いと思いますが、人に何かを伝えたい時には自分の意見を正論として押しつけるのではなく、先頭に立って行動で示すようにしていました。このプロジェクトで人とどう向き合うのか、ということを学びました。」(深澤さん)
 

イベント当日、自身の仕事だけでなく、全体に目を配る深澤佳奈さん(左)。「広報班として、気合いを入れてポスターをつくりました。自分がつくったものを評価してもらえることがうれしいですね。」
 


模擬結婚式、披露宴をやりたい!

2016年春、彼らの熱意が届き、プロジェクトの存続が決定した。活動期間は半期から通年になり、新年度からは今井重男教授、仁平京子専任講師の下、改めて始動することとなった。
今井教授は、「4月にプロジェクトの講義が開始する前から幹部メンバー、そしてさらに、やりたいことの大筋も決まっていました。今回は彼らの熱を冷まさず、そして大学の講義という制約もある中で、やりたいことをどう具体化させるのか、という点に気を遣いました」と話す。
学生たちが今回のイベントで希望したのは、「ファッションショーだけではなく、結婚式や披露宴の要素をイベントの中に盛り込む」ということ。そこで、今井教授は「ネットで集めた知識やイメージだけでつくるのではなく、実際にブライダルフェアなどに行って現場の空気を感じるように」と指導した。
主人公の花嫁役を担当したモデル班リーダーの池野有咲さん(サービス創造学部3年)は、3回ブライダルフェアに行って結婚式の魅力を実感したという。
「最初に行ったブライダル会場で、チャペルのドアが開いた時にふゎーと気持ちが広がったんですね。その感覚を見に来てくれたみなさんにも味わってもらいたいなと思いました。今回のイベントは、幹部だけでなく40人のメンバー全員がブライダルフェアに行って、そこでいいなと感じたものを取り入れているので、まさに、『OUR WEDDING』なんですよ」と楽しそうに語る。
総合演出班のリーダー川村萌さん(サービス創造学部3年)は、今回のイベントについて、「ブライダルフェアで聞いたプランナーさんの話を元に、大筋は現実の挙式に近づけた流れにしたのですが、実は、本番1カ月前になかなか思うようにいかず、心が折れそうになることもありました。でも、池野さんに励まされて自分の中で凝り固まっている部分に気づくことができ、今日を笑顔で迎えることができました」と、意気込みと共に友人への感謝の思いを語った。
 

「参列者のファッションショーも見所のひとつですが、基礎の挙式の流れもゆっくりやっているので、じっくり見てもらいたいです」と話していた川村萌さん(右)。
 


人と人とのつながり、真摯さが大切

イベント開始1時間前、プロジェクトの代表の佐藤拓弥くんがメンバーたちに声を掛け、円陣を組みはじめた。そこで佐藤くんは、関係各方面への感謝を伝え、メンバーたちのこれまでの準備を労い、最後には笑いを交えながら本番に向けて気合いを入れた。そのリーダーシップは見事なものだった。
彼は2年生の時、学部内のプロジェクト活動「千葉ジェッツ・プロジェクト」で副代表だった経験を買われ、今回はOUR WEDDINGプロジェクト初参加ながら代表になることをメンバーから承認されたという。
秋葉友輝くん(サービス創造学部2年)は、佐藤くんについて、「発想力が豊かで楽しいことを優先。遊びの企画はもちろん、話を聞いているとプロジェクトも自然と楽しく感じて、どんどん引き込まれていきます。人の動かし方がうまいなぁと。これだけプロジェクトがまとまったのは代表の力も大きいと思います」と評する。
一方、佐藤くん自身は今回のイベントを振り返りながら、「まず、メンバー全員にこのプロジェクトを好きになってもらうことを第一に、正規の活動、非公式の遊び、飲み会などを通じて団結を図ってきました。もちろん、数え切れないほどのトラブルはありましたが、そのたびに絆が深まったと思います。大きなプロジェクトはひとりではできないからこそ、人と人とのつながりや、物事にあたるときの真摯な姿勢が何よりも大切だと実感しました。今回学んだことを、将来に向けた自分の核にしていきたいと思っています」と話した。
 
 
【OUR WEDDINGプロジェクト「Smile Pray Love ~笑って 祈って 恋をして~」 Photo Album】

代表を務める佐藤拓弥くんが円陣の中心で最後の気合いを入れる。「全責任は俺と今井先生で負いますので」と話してメンバーの笑いを誘う。
パリ総合美容専門学校の学生たちがモデルのメイクを行う。
石原あかねさん(サービス創造学部3年)は幹部メンバーの一人としてモデルと渉外を担当。プロジェクションマッピング作成のため、毎週金曜日、デジタルハリウッド大学へ打ち合わせに通った。
参列者ファッションショーで登場するモデルたち。それぞれ自分で考えたスタイルで個性を打ち出す。
装飾班リーダー秋葉友輝くんは、「当日、急遽変わったこともありましたが、バーの雰囲気をつくるという方針は変えずにできたと思います」と胸を張る。
今回のイベントは初めて有料化した。チケット代金:(ソフトドリンク付)500円、(アルコールドリンク付)1000円。
副代表・佐藤秀勝くんはバーテンダーの経験を活かし、今回のイベント用にオリジナルドリンクをつくった。
模擬結婚式・披露宴の前に参列者のファッションショーが行われた。主役以外のおしゃれはタブーという結婚式・披露宴の常識を取り払って、もっとかっこいいものを提案することが狙いだ。
模擬結婚式がスタート。花嫁の父に扮した今井教授と新婦役の池野有咲さんが入場。
ウエディングドレスの上に施されたプロジェクションマッピングはデジタルハリウッド大学との共同製作。
ウエディングドレスはサービス創造学部の特命教授であり、株式会社ユミカツラインターナショナル代表取締役社長を務めるブライダルファッションデザイナーの桂由美さんのデザイン。
「CUCstyle」のパフォーマンスが来場者を沸かせる。
イベント中に設けられた写真撮影タイムを楽しむイベント参加者たち。
お色直しを終え、再び登場した新郎新婦役の二人。新婦役の池野さんは3年連続モデルを経験。「今年は自信をもって歩けました。みんなに『よかった』と思ってもらえるよう頑張りました。」
イベント終了後の片付けに追われる中、プロジェクトの幹部メンバーによる集合写真を1枚。