千葉商科大学サービス創造学部の学部メディア・プロジェクトが学部のPVを製作。学部をPRしようというこの映像は、2014年12月13~14日に船橋アリーナで開催されたプロバスケットボールチーム「千葉ジェッツ」のホームゲーム「千葉商科大学マッチデー」の中で公開された。教職員、学生が一体となり行われたPV製作の裏側をレポートする。

 
 
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プロジェクト発足1年目の今年、学部メディア・プロジェクトでは、さまざまなメディアの特性、意義、役割について学んできた。その上で、彼らが製作に取り組んだのは「映像メディア」。そして今年度の集大成として企画したのが、学部の魅力を伝えるためのPV製作だった。
学部の魅力について議論すると、学生たちからは、「スマイル」「元気」「エンジョイ」「アクティブ」「自由」「サポートが厚い」などといったさまざまキーワードが挙がった。その中から、「チャンスがいっぱいもらえて、自ら動きさえすれば手に入れることができる」という意見を重視し、映像コンセプトは「チャンスをつかめる学部」に据えた。
映像発表の舞台は、同学部の公式サポーター企業でもある「千葉ジェッツ」のホームゲーム。12月13、14日の2日間で行われ、「千葉商科大学マッチデー」として開催される試合の会場の大型スクリーンで放映されることになった。企画し始めたのが10月末と、製作期間が1か月あまりしかなかったこともあり、短期間でいかにインパクトの映像ものが製作できるかが勝負。吉田優治サービス創造学部長をはじめとする教職員、学生たちをできるだけ多く巻き込むためのシナリオ構成を考えた。
 

主演した山田絢美さん(サービス創造学部4年、左)と学生監督の井上恭兵くん(同2年、右)。

 
今期より、「千葉ジェッツ」の公式キャラクターに就任したお笑い芸人のダンディ坂野さんのギャグが「ゲッツ」であることをヒントに、キャッチコピーを「チャンスをゲッツ!」に決めた。
プロジェクトリーダーの井上恭兵くん(サービス創造学部2年)は「誰もが知っているギャグを使うからこそ、冒頭は真剣に表現するシーンを設けました。今井重男准教授にコミカルな『ゲッツ!』をしていただくカットをキッカケに、全員が一気に弾けていく。それによって、この学部ならではとも言える’元気さ’‘ハツラツさ’を表現することを意識しました」と語る。
スケジュールはタイトだったが、シナリオづくりには徹底的に時間を割き、メンバーで議論した。企画趣旨を説明すると、ダンディ坂野さんからも快諾を得られた。
 

メンバーと出演者でコンセプトを共有し、シーンやセリフを確認するための企画書と絵コンテ。

 
撮影当日は、早朝から100人近くの教職員と学生たちが集結。教室やメインストリートなど学内のさまざまな場所で「ゲッツ!」の声が響き渡った。井上くんも「できるだけ多くの皆さんに出演いただこうという企画でしたが、急な呼びかけにもかかわらず、本当に数多くの先輩・後輩に協力していただき、感謝の限りです」とホッとした表情を見せた。
カメラマンとしてゲストに迎えたのは、映画・CMなどの監督として活躍する4thFILM・曽根隼人氏。学生たちもホンモノのプロの仕事ぶりを間近で目にして、その一挙手一投足に興味津々の様子だった。
このPV製作企画限定でプロジェクトに参加し、自ら音声役をかってでたという深沢昇大くん(サービス創造学部1年)は、「CM撮影に興味があって今回参加しました。右も左も分からなかったですが、直接プロの監督に指導してもらえたのは贅沢な経験でした」と興奮気味に語った。
撮影した映像の編集も、カット割り、BGM選び、タイトルテロップなど、学生たち各自がチャレンジ。曽根氏監修の下、学生たちの編集内容のいいところを採用しながら、最終的な学部PVが完成した。
 

曽根氏監修の下、編集作業に加わる(左から)山田さん、チン・コウゼンくん、キョウ・ゲンテイくん。

 
試合会場で映像を観た卒業生たちからも「すごいデキでビックリ。みんなが楽しそうでした」(高梨愛子さん)「後輩たちが可愛らしくて、学生に戻りたい気分になりました」(岩崎明莉さん)などの声が聞かれた。
Kicky!の学生編集長であり、今回のPV撮影に企画から加わり主演も務めた山田絢美さん(サービス創造学部4年)は、「試合前、PV冒頭の私のセリフ『数えきれない体験……』という声で小学生くらいの男の子がバッとスクリーンを振り向いた様子がとても印象的で、その時はガッツポーズしたいくらいうれしかったです。今回大役を頂き、はじめは誇らしさと恥ずかしさとがあったのですが、製作日程が厳しすぎてそんな感情はすぐ消えました(笑)。製作・出演の両方に関われた私は、一番おいしいところを頂いたのかもしれませんね。今はたくさんの学部生が関わったこの動画をより多くの人にご覧いただき学部のことを知ってもらうと同時に、出演してくれた学生たちの誇りや活力になってくれればいいな、と思っています」と笑った。
笑顔あふれる同学部を象徴するPV映像は、バスケットボール会場でもひときわ輝いていた。
 

学生と教職員が一致団結!元気よく「ゲッツ!」。そして、フレームアウト。

 
 

曽根氏(左)、西尾淳教授(中央)も加わっての企画会議。井上くん(右)をはじめ学生たちはプロの仕事の進め方を体験した。
出演メンバーを和ませようと衣装を着た深沢くん(左)。ガンマイクの使い方の指導を受ける表情は真剣そのもの。
冒頭のシーンを撮影するために教室に集まった学生たち。いよいよ撮影スタートだ。
白いスーツに学部カラーの黄色い蝶ネクタイを身につけた今井重男准教授の「就職をゲッツ!」が映像の重要なポイントになった。
慎重に立ち位置を決める吉田優治学部長と教職員のみなさん。「サービス創造を!」「ゲッツ!」のアクションもノリノリだ。
千葉ジェッツ・プロジェクトとチアダンスチーム「glitter’s」は、「ゴールをゲッツ!」「GO GO JETS!」と叫んだ。
「普段撮る側だから出る側は不安」と言っていたケビン・ミラー先生。さまざまな場所で撮影したが、画力は満点だった。
ラストシーンに向け、正しい「ゲッツ!」のフォームをYouTubeでチェックするメンバーたち。
ラストシーンに参加すべく、続々と集まってくる学生たち。
学部メディア・プロジェクトを担当する西尾教授と中村聡宏特命講師から全体の企画説明。
ゲッツ!と、画面からのフレームアウトのフォームについて指導する山田さんと井上くん。
吉田学部長(中央奥)も今井准教授(左)も笑顔が弾ける。PV撮影を心から楽しんでいる様子だ。
チアダンスチーム「glitter’s」のメンバーも、寒空の下、ユニフォーム姿で参加した。
100人ゲッツ!スタート前の様子はまさに壮観。朝の寒さの中、緊張した空気が張り詰める。
撮影・編集の監修と学生への指導を担当した曽根氏は「学生たちの飲み込みが早い」と目を丸くしていた。