千葉商科大学主催
「THE UNIVERSITY JAZZ LIVE」

茜色の空が少しずつ暗くなっていく夕涼み――。
学食ランキング1位(*)に輝いた千葉商科大学の学食「The University DINING」(以下、DINING)で、同大学「The University HUB & DINING Bureau(以下、H&D Bureau)」主催の音楽イベント「THE UNIVERSITY JAZZ LIVE」が開催された。同大学の学生、地元の方たちがDININGに集い、ジャズの生演奏を楽しんだ。

 
*早稲田大学学食研究会調べ

http://www.cuc.ac.jp/bureau/dining/news/news_list/20161226_01.html

 


他大学との交流で、視野を広げる

同大学のDININGでは、食事提供という学食という役割だけでなく、学生の感性や行動力、発想力などを育む活動の場や学習の拠点としてこれまでに数回、学生や卒業生が企画・運営するイベントを開催してきた。今回、「大学は地域にもっと解放されるべき」という思いから、同大学サービス創造学部の吉田優治学部長と同・西尾淳教授がディレクターを務めるH&D Bureauが、この音楽イベントの企画・運営に立ち上がった。また、現在、同学部では経済産業省の「産学連携サービス経営人材育成事業」として採択された独自の教育プログラム「On Campus Real Business Learning」が進行中。5つのユニットに分かれ行っているプロジェクトの中には、キャンパスにおけるエンターテインメントサービスの開発を目的とするものもあり、この今回の音楽イベントはそのテストケースとして開催された。
 
イベント冒頭、吉田学部長は、「今日は地域の方に気軽に来ていただいて、大学を楽しんでもらおうとジャズライブを企画しました。大学もこれからは変わっていかなければなりません。DININGの隣に複合施設『The University HUB』が完成しますが、ここもまた、地域の方々にも活用していただける施設も展開していく予定です。今回は、横浜・野毛のライブハウスで素敵なピアニスト、嶋津健一氏に出会い、演奏していただくことになりました」と、来訪者に向けて挨拶を行った。
吉田学部長が「リッチな音がする」と絶賛した嶋津氏をはじめ、ボーカルのかなさし庸子さん、テナーサックス・フルートの岡淳氏、ベースの加藤真一氏、ドラムスの橋本学氏と、それぞれ各方面で活躍するミュージシャンたちがDININGに集結。ジャズのスタンダード・ナンバー「サマータイム」をはじめ、カーペンターズの名曲「Close to you」や、日本の名曲「月の砂漠」、「見上げてごらん夜の星を」、「やさしさに包まれたなら」など、誰でも一度は耳にしたことがあるナンバーを3ステージ、各40分行った。多くの観客が、演奏者たちの近くに寄ってジャズを満喫している様子が見られた。
 

ライブの冒頭挨拶を行った、同大学サービス創造学部の吉田優治学部長(左)と、ピアニストの嶋津健一氏(右)。かつて市川はジャズが盛んな町だったとの理由があり、親和性が高いジャズライブを実施することにしたという。

 
ライブ終了後、嶋津氏は「今回、どういうお客様が来場されるかわからなかったので、選曲には頭を悩ませました」と本音を吐露。その上で、「結果的には、皆さんが楽しんでいらっしゃる様子が直接伝わってきて、私たちも楽しんで演奏することができました。とくに、2016年にお亡くなりになった永六輔さんの『見上げてごらん夜空の星を』を演奏したときには、自分でもなんだかじーんときちゃいました」と振り返った。
 
参加者に話を聞くと、「演奏者をすぐ真正面の特等席で聴くことができて楽しかった」、「ダイニングでライブなんて面白いです。出演者の方と距離が近くて、ドラムの足元まで見えることはなかなかないこと。振動までも伝わってきて楽しかった」、「子ども連れで来たので、最初は子どもたちが騒がないかと心配していましたが、気軽に入れる雰囲気で安心しました。この辺りはレストランもないので、こうした場があるのはすごく新鮮ですし、嬉しいこと。カジュアルな音楽を楽しめて大満足しました」、「フルートも習っているので、とくにフルート奏者に親近感を持ちました。知っている曲ばかり演奏してくださったので、嬉しかったです」と、多くの喜びの声が聞けた。
 
主催したH&D Bureauのディレクターである西尾教授は、「初開催だったので、何人集客できるのかも不明でしたが、地域の方々や学生たちが生で聴く迫力を楽しんでいる様子が伝わってきましたので、本当に開催してよかったと思っています。学生が社会と密接に関係していき、社会の一員であるという意識を持てることは非常に大事なことです。改めて、このDININGがそういう場になっていければいいと思いました。また、これを機に昼間も地域の方々にここに来ていただいて、地域の方々にも愛される大学になっていくといいですね」とほっとした表情を見せた。
 
大盛況に終わった「THE UNIVERSITY JAZZ LIVE」を皮切りに、R&B、J-POP、演歌など、さまざまなジャンルの音楽ライブを「THE UNIVERSITY LIVE」として展開中だ。今後の音楽ライブにも期待したい。
 

土曜日とあって、浴衣姿で参加する学生の姿も。
ジャズの本場、ニューヨークでも活動していた経験を持つ、ボーカルのかなさし庸子さん。
DININGではこの日、アルコールや軽食なども販売。大学にいて、まさにジャズバーにいるかのよう。
ジャズの花形、テナーサックスは、岡淳氏が演奏した。
加藤真一氏のベースが、音楽に美しい音色と重厚なリズムを与えてくれる。
ドラムスの橋本学氏の演奏に、会場からも歓声が上がった。
嶋津氏は、東京大学子学部原子力原子力工学科卒業後、ニューヨークのマンハッタン音楽院ジャズ科修士課程入学したという異色の経歴の持ち主だ。
最後のステージでは、来場者たちが演奏者のすぐ近くに座って、美しい音色に耳を傾けた。
サービス創造学部のケビン・ミラー専任講師(中央)が学生たちとともにジャズを楽しんでいる様子も見られた。