株式会社ジェイアール東日本都市開発「シャポー市川」企業プレゼン
千葉商科大学サービス創造学部 宮澤薫ゼミナール

千葉商科大学サービス創造学部の教育の柱となっている「3つ(学問、企業、活動)の学び」。とくに、ビジネスの第一線で活躍する方から直接アドバイスを受けることができる「企業から学ぶ」は、学生たちからも好評だ。今回、同学部の宮澤薫ゼミナール3年生メンバーが、JR総武線市川駅に直結するショッピングセンター「シャポー市川」を運営する株式会社ジェイアール東日本都市開発に対して、若者ならではの発想でプレゼンテーションした。


「サービス」をテーマにした難題に取り組む

総武線の市川、小岩、本八幡、船橋の駅に直結するショッピングセンターの「シャポー」は、株式会社ジェイアール東日本都市開発が展開しているショッピングセンター事業のひとつ。なかでも、2012年10月にリニューアルオープンしたシャポー市川では、食料品やファッション、雑貨、レストランなど134店舗が出店し、地域の方々に密着した運営を行っている。現在同社では、JR東日本グループの駅ビル内共通でポイントを利用できる「JREポイントカード」の新規会員を広く募集している。同社から、同学部の宮澤准教授のゼミのメンバーに、「市川市在住の20~30代の女性」をターゲットに、「JREポイントカードをつくってもらってシャポー市川の継続的な利用を促す」という課題が与えられた。これまでも企業に対し、モノをテーマにしたさまざまな提案を行ってきた宮澤ゼミだが、初めて「サービス」をテーマにした難題に取り組むこととなった。

 

株式会社ジェイアール東日本都市開発 ショッピングセンター事業本部 市川ショッピングセンター 所長の菅原道彦氏が学生たちの提案に対し、細かく質問を投げかける。

 


学生たちが考えた戦略とは?

5月初頭に課題を与えられた3年生のメンバーは限られた時間内で、グループに分かれて戦略を考えた。
1班は女子大学生をターゲットに、五感で流行を感じることができる空間づくりを行い、客足を伸ばす戦略を提案。「わざわざ」何かをして流行を取り入れるのはむしろカッコ悪い、という大学生ならではのインサイトを提案の核にした。2班は、シャポー市川の縦長で階段が少ないという構造がベビーカーを使用する方々に最適であるということを発見し、ターゲットを子どもを持つ主婦層に設定。親子ともに居心地のよい快適な環境づくりをめざすべく、実際に現場に足を運ぶなどして具体策を講じた。また、3班は、「市川もシャポーも可もなく不可もない。落第じゃないけど、すごく魅力的なわけではない」という思い切った問題点を指摘。20~30代のOL層を狙い、彼らなりの「楽しみ方、幸せ感」をプラスすべきとし、「インスタグラム」とポイントカードを連動させるなどの企画を立案した。

 

1班は、施設内で購入をし、ポイントカードを提示すれば駐輪場の無料券を配布してもらえるという企画も立案した。

 

 

3班では、実演販売や家庭でできる裏技を紹介する機会を設けるなど、会社帰りのOLや主婦が気軽に立ち寄れるようなアイデアも提案した。

 


「施設内に魅力があれば、加入者増につながる」

発表を受けて、同社の株式会社ジェイアール東日本都市開発 ショッピングセンター事業本部 市川ショッピングセンター 所長の菅原道彦氏は、「学生さんから参考になる意見を多く頂戴し、少しずつ改善に取り組んでいきたいと思っています。皆さんがおっしゃっている“使いたい”“体験したい“といったことがシャポー内にあれば、ポイントカードの加入にもつながるので、我々も一生懸命取り組んでいくつもりです」と学生たちをねぎらった。また、同ゼミのアドバイザーでもある吉田透氏は、「プレゼンをつくるのに一生懸命で、みんな語り切れていない部分が多くある」と話したうえで、それぞれのグループに対し、プレゼンを成功に導くための“ヒント”を明かした。
 
サービスを創造する――。これまでもさまざまなプレゼンに取り組んできた学生たちだが、こうした難題に取り組み、企業の方の厳しくも温かい生の声を聞くことでまた一歩成長できたに違いない。
 

株式会社ジェイアール東日本都市開発の担当者からの質問に、学生たちも若者ならでは視点で返答する。

 

最後に、宮澤ゼミ生が株式会社ジェイアール東日本都市開発の方々とともに記念の一枚。この発表後、シャポー市川では学生たちからの意見を取り入れ、子どもたちが遊ぶ広場などでの改善に着手、現在は多くの親子連れで賑わいを見せているという。

 
 
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