学生時代からの念願だった夢をかなえ、現在忙しい日々を過ごすJALエクスプレスのスカイキャスト(客室乗務員)・高橋海令さん。夢を実現するために専門学校への道も考えていた彼女は、千葉商科大学サービス創造学部に進学し、結果夢をつかんだ。高度10000mを超える上空を舞台に活躍する彼女の学生時代と現在について話を聞いた。


航空業界を目指して

客室乗務員になることは、昔から高橋さんの夢だった。その夢をかなえるために、高校生だった彼女は専門学校への進学を考えていた。しかしある日、千葉商科大学のオープンキャンパスを訪れた際、新設されるサービス創造学部の吉田優治学部長の勧めもあり、高橋さんは学部の門を叩くことを決断する。
4年間過ごした大学時代を今振り返ってみると「仲間に恵まれて、とにかく楽しかった」と高橋さんは話す。大学の同級生は4クラス合計200人。気づけば、クラスやゼミに関係なく、ほとんど全員が顔見知りになっていた。社会人となった今でも、同級生たちと集まることも多いと言う。
「ただ聞いているだけの授業は少なかった。自分で考えて行動しなくてはならない授業が多く、刺激的な日々でした」


不安な心を振り払って

入学後は先生たちにいろいろと相談した。ゼミの石井泰幸教授をはじめ、ホスピタリティー論を指導する客員講師などにも相談をした。それでも、不安が募り心は折れそうになる。
「周りには、ホテル業界やウエディング業界を目指している人は多かったのですが、航空業界に就職したいという学生はほとんどいませんでした。『どうせ受からない』と思われるのがイヤで、友達にはずっと黙っていました」
周りの友人たちの影響で、航空業界をあきらめ、ホテルやブライダルといった業界に進路を変更しようと考えたこともあった。しかしそんな時、「あきらめないで、頑張ろう」と先生が励ましてくれた。
大学にはさまざまなゲストスピーカーがやってきた。中には、公式サポーター企業となっているJALのキャプテンや広報担当者が講師を務める授業もあり、興味深い航空業界の話を聞くことができた。授業の後は、講師たちに自らの想いを伝え、直接いろいろと質問した。
同学部には、空港の施設や整備場など、通常は関係者しか入れないスペースを見学できるような「職場体験」の場も用意されていた。
「今改めて考えてみると、もっと大学の友人に相談すればよかったなと思います。自分のことを話すからこそ入ってくる情報もありますし、支え合える仲間の存在は大きいです。
ただ、もうダメかもしれないとくじけそうな時には、先生方に励ましていただきました。また、憧れの職場を実際に訪問してみると、『やっぱりここで働きたい』と思い直すことができ、モチベーションを高められたことはありがたかったです」


厳しさと優しさの間で

エントリーシート通過後の面接は合計で3回。言語、英語、数学、論理といった筆記テストに加え、「ロールプレイ」と呼ばれるサービス適性試験も受けることになる。
選考試験の段階が進めば進むほど、採用側にとっても学生に対する親近感は増してくる。しかし、全員を合格させられるわけではない。だからこそ、JALエクスプレスでは「受験生も大切なお客さま様である」という意識で受験生を迎え入れているという。彼らが緊張することは十分にわかっているからこそ、「リラックスして普段通りの自分を出せるように」と配慮してサポートするのは先輩社員たちの重要な役割だった。
そんな厳しさの中にも温かさがあふれる雰囲気に包まれながら、高橋さんは就職サバイバルに挑んでいた。
「試験の前日は大抵緊張して眠れませんでしたが、試験の場に行くと、とにかく『合格したい』という一心しかありませんでした。一緒に試験を受ける受験生ともよく話していましたし、ライバルというよりは、この職場で働きたいと夢見る同志という感じでした」
高橋さんは見事に難関を突破し夢をかなえた。

 
 

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<プロフィール>

高橋 海令(たかはし・みれい)

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2009年千葉県立若松高等学校卒業後、千葉商科大学サービス創造学部入学。大学時代は航空業界を目指しながら学業に励む。2012年株式会社JALエクスプレス入社。JALエクスプレスのスカイキャスト(客室乗務員)として日本全国を飛び回る。

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