サービス創造大賞必勝法
――サービス創造学部が主催する「サービス創造大賞」の募集が、今年も始まりました。
松本 千葉商科大学サービス創造学部の存在を知ってもらうためにつくった「サービス創造大賞」ですが、サービスに関するアイデアを世に問うことで、多くの皆さんに「サービス創造」というものについて考えていただくいい機会になるといいですね。
応募対象者は誰でもいいんですよ。実際には、高校生からの応募が多いのですが、大学生や一般の社会人からも応募があります。昨年ものべ2,700以上の応募があり、応募者数は年々増えつつあります。こうした応募者増加に対応して賞の数を増やし、より多くのアイデアを表彰できるようにしています。
――サービス創造大賞に期待することとは。
松本 企業内で、「アイデアを100個出せ」と言われるようなこともよくありますよね。昨年度から企業課題部門が設けられましたが、企業人同様の課題解決体験ができる場として、高校生や大学生にとっても貴重な機会といえるでしょう。
大学生にとっては企業との接点が増えますし、特に就職を意識している学生にとってはリアルな課題になるはずです。一般課題部門・企業課題部門ともに、高校賞が設けられていますので、高校生にとっては特に大きなチャンスがある賞です。
サービス創造学部の50を超える公式サポーター企業へ審査の依頼もしていますので、企業に認められて具体的なサービスとして実現する可能性もあります。
私自身、大学2年の時に考案した「有言実行広告」というアイデアが原点となり、いま、インタラクティブ・マーケティングやコミュニケーションを研究し講義に表現しているという面もあります。このサービス創造大賞も、社会との接点になるというだけではなく、何よりも自分自身のためになると思うので、ぜひ多くの皆さんにチャレンジしていただきたいですね。
――大賞に近づくコツを教えて下さい。
松本 これまでも一審査員に過ぎませんでしたので、何か特別なアドバイスができる立場でもないのですが(笑)、「日常生活の中で感じる、ほんのちょっとした困ったことを忘れないこと」が実は重要なのではないかと感じています。世に出ているサービスの多くが、意外と身近な生活の中の気付きだったりします。便利、快適、楽しい…など目に見えない価値を生み出すことがポイントだと思います。
種はそこかしこにあるのですが、こんなことがあったら便利だな、快適だな、楽しいな、ということは意外と探すのが難しいもの。それよりも、日常の中に転がっている「困ったな」「不便だな」「面倒くさいな」と感じたことを解決するアイデアこそ、素晴らしいサービスにつながると思います。高校生だろうと、大人だろうと、子どもだろうと、皆さんの周りにヒントがあるはずです。
ただ、日常生活の中のできごとは注意していないとすぐに忘れてしまいます。ですから、何かを生み出そうとつねに意識しながらものごとに注目しておくことも大切かもしれませんね。
また、賞に近づくためには「わかりやすさ」も重要です。実現できそうかについて、300字以内で書くのが応募ルールとなっていますが、その範囲の中で、自分が困ったことやそれに対してどのように役に立つのかを具体的にしっかり書いて伝えることはぜひ意識していただきたいです。せっかくのよいアイデアなのに、審査員に伝わらないがゆえ、評価されないのではもったいないですからね。
*「ひらめきをカタチに!」サービス創造大賞2014募集開始。<概要紹介> はこちら
*「サービス創造大賞」に挑む。<受賞者の声> はこちら
学生にとって最も身近な大人として
――サービス創造学部の学生たちを見てどのように感じていますか。
松本 プロジェクトなどの活動を通じて学ぶ機会が多いからかもしれませんが、特に積極的に参加している学生たちは、コミュニケーション能力や実行力が高いなと感心させられることが多いです。素直で純粋な学生たちだからこそ、吸収力が大きいのだと思います。パーティ・プロジェクトのメンバーたちが開催するイベントを見ていても、そのクオリティが年々パワーアップしていることを実感しています。
――先生ご自身はどのようなことを心がけているのでしょうか。
松本 活動を通じて学ぶ場合などは特に、学生たちが「つまらない」と感じることよりも、「楽しさ」を感じながら充実感を持って学ぶ方が力になるはずです。ですから、「楽しむことが素晴らしい」と気づいてもらうためにも、自分自身が楽しんでいる姿を見せないといけないと意識しています。
特に今はまだ学生と年齢が近いこともありますし、最も身近な大人である僕らの世代の教員が、学生たちにとっての「よき見本」として振る舞うべきだと自覚しています。そして一方、年を重ねていくと今のようなわけにいかなくなるでしょうから、僕自身も次なる武器を探しながら進化していきたいと思っていますよ。
12
<プロフィール>